どっちがお得なの?車の電気代とガソリン代を比較

更新 2021.11.04 EVライフ
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一般的に電気自動車はランニングコストが安いと言われますが、車体価格が高いので購入をためらってしまう方も多いのではないでしょうか。2021年10月時点では、電気自動車のコンパクトモデルであっても車両価格が400万円を超えるものが多いです。


そこで気になることが、電気自動車とガソリン車のランニングコストにどれだけの差があるのか。


この記事では、電気自動車の電費とガソリン車の燃費を比較し、何年乗ると電気自動車がお得になるのかを調査していきます。


 


電気自動車のランニングコストはガソリン車より安いってホント?


 



 


電気自動車のランニングコストは、ガソリン車よりも安く抑えられます。電気自動車にかかる費用は、自動車税、電気代、タイヤ交換、ブレーキパッド交換などです。一方、ガソリン車のコストは、自動車税、ガソリン代、オイル交換、オイルフィルター交換、タイヤ交換、ブレーキパッド交換などがあります。


 


車の維持にかかるコストを比較すると、電気自動車にはオイル関連の交換が必要ないことがわかります。そのため、電気自動車はガソリン車よりもランニングコストを抑えられるのです。ただし、電気自動車のランニングコストを安く抑えられるのは、駆動用バッテリーの交換をしなかった場合です。駆動用バッテリーを交換すると、数十万円の費用がかかります。よって、駆動用バッテリーを交換しない場合には、電気自動車の方がランニングコストを安く抑えられるといえるでしょう。


 


電費(電気代)と燃費(ガソリン代)の比較


 


電気自動車を所有し、日常的にかかる費用には、電気代があります。ここからは、電気自動車の電費(電気代)とガソリン車の燃費(ガソリン代)を比較してみましょう。あくまでも電費(電気代)と燃費(ガソリン代)の比較であるため、オイル交換やタイヤ交換などのランニングコストは含まれていません。


 


【比較条件】


・年間走行距離:6,000km


・ガソリン単価:150円/1L


・電気代:20円~30円/1kWh


 


Honda eの電費(電気代)


 


ホンダ Honda eの1年あたりの電費(電気代)を算出してみましょう。Honda eは、バッテリー容量が35.5kWh、WLTCモードの航続距離が259km~283kmです。


 


1kWhあたりの走行距離は7.3km(259km÷35.5kWh)~7.9km(283km÷35.5kWh)となります。1年間で必要な電気の量は、759kWh(6,000km÷7.9km)~822kWh(6,000km÷7.3km)です。よって、1年間にかかる電気代は、15,180円~24,660円となります。


 


ただし、ここで算出した電気代は、一般的な料金プランの価格を参考にしたものです。そのため、深夜料金プランや時間帯別料金プランを契約するとより安く抑えられることもあります。


 


【ホンダ Honda eの電気代】


年間電気代:15,180円~24,660円


 


ホンダ フィットの燃費(ガソリン代)


 


ホンダ フィットの1年あたりの燃費(ガソリン代)を算出してみましょう。ここでは、4代目フィットのハイブリッドであるホームe:HEVで燃費(ガソリン代)計算をします。


 


フィット ホーム e:HEV(FF)の燃費はWLTCモードで28.6km/Lです。1年間で使用するガソリンの量は約209Lであるため、年間ガソリン代が約31,350円(ガソリン単価150円で算出)となります。


 


【ホンダ フィットのガソリン代】


年間ガソリン代:約31,350円(ガソリン単価150円の場合)


 


自宅に充電器をつけた方が良いのか?充電器設置の費用や充電カードの料金などについて


 



 


電気自動車の購入と同時に検討することが多い自宅の充電器は設置した方が良いのでしょうか。自宅の充電器は、可能であれば設置した方が良いといえます。自宅に充電環境があれば、公共の充電スタンドに立ち寄って充電待ちをする時間を確保する必要がありません。また、電気料金プランによっては、1kWhあたりの電気代が割引になることもあるため、車の電気代を安く抑えられます。


 


では、自宅に充電スタンドを設置する費用は、どのくらいかかるのでしょうか。充電スタンドを自宅に設置する費用は、10万円前後が相場です。ただし、充電器の設置費用は充電器の種類や工事費用などによって変動します。


 


出先での充電や公共の充電スタンドを利用する場合には、充電カードが必要です。充電カードは、一般的に「発行手数料」、「月会費」、「都度料金」の3つの料金の合算です。


 


それぞれの料金や費用の相場は、発行手数料が無料~1,500円、月会費が無料~5,000円となっています。都度料金には、普通充電と急速充電の2種類があり、普通充電1分あたり無料~2.5円、急速充電1分あたり無料~15円が相場です。


 


自宅に充電器を設置して日頃の充電は自宅で行い、月に2回ほど出先での急速充電する場合の電気代は次の通りとなります。


 


【電気自動車の充電にかかる費用】


・車両:ホンダ Honda e(バッテリー容量:35.5kWh)


・自宅充電(AC200Vケーブル普通充電):約12時間


・急速充電(80%までの充電):30分


 


・自宅充電費用:約20,000円(1年間)


・急速充電費用:12,672円(17.6円×30分×2回×12ヶ月)


・充電カード(Honda Charging Service):6,600円(月会費2年間無料、3年目から毎月550円)


 


■年間の電気代


都度課金の急速充電を利用した場合:約39,272円


急速充電を利用しなかった場合:約26,600円


※充電器設置費用を除く


 


ホンダ Honda eの電気代は、多く見積もって1年間で約40,000円。都度課金である急速充電を利用しなかった場合は、最初の2年が約20,000円、3年目以降が約26,600円です。ホンダ フィットの年間ガソリン代が約31,350円であることからも、都度料金を利用しないような使い方をすれば、Honda eの方が安いといえるでしょう。


 


CEV補助金を利用すれば電気自動車を安く買えるってホント?


 


EVやPHEVなどの次世代車は、国に補助金の申請をするとお得に購入できます。国から受けられる補助金は、CEV補助金と呼ばれ、電気自動車、プラグインハイブリッドカー、燃料電池車、クリーンディーゼル車などの購入負担額を低減してくれる制度です。


 


例えば、ホンダ Honda eを購入する場合、最大66万1,000円の補助金を受けられます。Honda eの車両本体価格が451万円~495万円であるため、受けられる補助金の最大額を申請した場合、400万円前後~で購入できる計算です。


 


電気自動車を含む次世代車を購入するときは補助金を最大限に活用しましょう。ただし、補助金には上限があり、受付を終了している場合もあるため、車を購入する時に補助金の申請条件などをしっかりと確認しておくことをおすすめします。


 


ランニングコストの比較


 


Honda eとフィットのトータルコストを比較してみましょう。


 


Honda eを新車で購入する場合、車両本体価格は451万円~495万円です。1年あたりの車両価格を均等に分割すると、3年保有した場合に150万円~165万円、5年保有した場合に90万円~99万円、7年保有した場合に64万円~70万円となります。


 


【Honda eの車両本体代】


3年保有の場合:150万円~165万円


5年保有の場合:90万円~99万円


7年保有の場合:64万円~70万円


※ローンの金利や手数料、補助金などを含まず


 


一方、ホンダのコンパクトカーであるフィット ホームe:HEVの車両本体価格は、211万7,500円~231万5,500円です。1年あたりの車両価格を均等に分割すると、3年保有した場合に約70万5,800円~約77万1,800円、5年保有した場合に42万3,500円~46万3,100円、7年保有した場合に30万2,500円~約33万800円となります。


 


【ホンダ フィットの車両本体代】


3年保有の場合:約70万5,800円~約77万1,800円


5年保有の場合:42万3,500円~46万3,100円


7年保有の場合:30万2,500円~約33万800円


※ローンの金利や手数料などを含まず


 


車両本体価格だけを比較すると分割で購入した場合、同じコンパクトカーであっても電気自動車の方が割高になります。


 


加えて、年間電気代またはガソリン代が加算されるため、トータルのコストは次のようになります。


 


【Honda eのトータルコスト】


・1年目に車両代金を全て支払った場合:452万5,180円~497万4,660円


(車両本体代:451万円~495万円+電気代:15,180円~24,660円)


・3年間分割1年あたりのコスト:151万5,180円~167万4,660円


(車両分割代:150万円~165万円+電気代:15,180円~24,660円)


・5年間分割1年あたりのコスト:91万5,180円~101万4,660円


(車両分割代:90万円~99万円+電気代:15,180円~24,660円)


・7年間分割1年あたりのコスト:65万5,180円~72万4,660円


(車両分割代:64万円~70万円+電気代:15,180円~24,660円)


 


【ホンダ フィットのトータルコスト】


・1年目に車両代金を全て支払った場合:214万8,850円~234万6,850円


(車両本体代:211万7,500円~231万5,500円+ガソリン:約31,350円)


・3年間分割1年あたりのコスト:73万7,150円~80万3,150円


(車両分割代:約70万5,800円~約77万1,800円+ガソリン:約31,350円)


・5年間分割1年あたりのコスト:45万4,850円~49万4,450円


(車両分割代:42万3,500円~46万3,100円+ガソリン:約31,350円)


・7年間分割1年あたりのコスト:33万3,850円~36万2,150円


(車両分割代:30万2,500円~約33万800円+ガソリン:約31,350円)


 


分割払いの場合、Honda eの車両本体価格がフィットの2倍以上もすることから電気代やガソリン代を含めても、Honda eの方がトータルコストが高くなります。


 


まとめ


 


電気自動車の電費とエンジンを搭載する車の燃費だけを比較すると、電気自動車の方が安く抑えられる可能性が高いということがわかります。この記事では、車を動かすために必要な電気代やガソリン代の比較、分割払いをしたときの年間コストの比較しました。車の維持費の中でも定期的にかかる費用である電気代やガソリン代は、車を所有する際に避けられないコストです。車を一括払いで購入して、毎月かかるコストを少しでも下げたいのであれば電気自動車が良いといえるでしょう。しかし、分割払いの場合には、電気自動車の車両本体価格が下がらない限り、コストを抑えるのが難しいというのが実情だと言えます。


 


 

[電気王編集部]